ChatGPT Vs.アカデミア 日本の大学も次々と見解を発表
こんにちは。エナゴスタッフのkazumiです。
最近はどのメディアを見てもAIの話題で持ちきりで
なかでもその発端となったChatGPTが巷を席巻していますね。
じつはこのChatGPTに早い時期から敏感に反応したのはアカデミアでした。
たしかに国家試験や論文に使用できる、としてすぐに報道がなされたせいか
雑誌「Nature」などがいち早く反応をしていました。
それはChatGPTとアカデミアの親和性が高い証左とも言えるかもしれません。
そんなわけで、今回の記事では
日本国内の大学がChatGPTにどのような見解を示しているかをまとめてみましょう!
ChatGPTへ言及した大学
次々と公式見解が出され続けているためすべては追い切れない状態ですが、
まずは5月11日現在までに確認できる範囲で一覧にしてみました。
神奈川大学、北海道科学大学、武蔵大学、広島修道大学、鹿児島大学、神奈川工科大学、流通科学大学、神戸女子大学、宮崎国際大学、近畿大学、大分大学、国士舘大学、中京大学、北里大学、三条市立大学、山梨大学、宇都宮大学、横浜商科大学、会津大学、富山大学、芝浦工業大学、東京都市大学、島根県立大学、高崎健康福祉大学、北見工業大学、神戸大学、駒澤大学、同志社大学、東京工科大学、就実大学・就実短期大学、佛教大学、東京農工大学、長崎大学、立命館大学、自百合女子大学、東洋大学、学習院大学、岡山大学、法政大学(情報科学部・情報科学研究科)、神戸市外国語大学、東京外国語大学、電気通信大学、日本大学、大阪女学院大学・大阪女学院短期大学、東京工業大学、龍谷大学、福井工業大学、兵庫教育大学、甲南大学、山形大学、早稲田大学、兵庫県立大学、群馬県立女子大学、近畿大学 (情報学部)、東洋大学 INIAD (情報連携学部)、大阪大学、関西大学、高崎経済大学、島根大学、群馬大学、上智大学、東北大学、東京大学
動きが早かったのは東京大学です。
2023年4月3日に
「生成系AI(ChatGPT, BingAI, Bard, Midjourney, Stable Diffusion等)について」
というタイトルで東京大学の理事・副学長太田邦史氏がこのように表明しました
(全文はこちら)。
(……)どのようにしたら問題を生じないようにできるのか、その方向性を見出すべく行動することが重要であると思います。何にせよ、大きな変革の時期に来ていると考えられますので、本学構成員の皆様は、この変化を傍観するだけでなく、大規模言語モデルに「創発」(能力が突然飛躍的に向上すること)が起きた原因を考察したり、生成系AIがもたらす様々な社会の変化を先取りし、積極的に良い利用法や新技術、新しい法制度や社会・経済システムなどを見出していくべきではないでしょうか。
また、この記事を書いている時点で2日前にあたる5月10日に出された
「[学生の皆様へ]ChatGPT等の生成系AIの使用に関する留意事項」という
以下のような神奈川大学のステートメントもあります(全文はこちら)。
本学は、生成系AI等の最新技術も取り入れながら時代に合わせた教育を提供することで、学生の皆さんの可能性を最大限に引き出し、新しい時代を迎えつつある社会において活躍できる人材を育成していくように、引き続き努めてまいります。なお現時点では、ChatGPT等の生成系AIの発言をそのまま利用することは大変危険な行為のため、以下の留意事項を理解しておいてください。
1. 生成系AIを利用して得た内容は学生の皆さんの成果物ではないので、課題等に対してこれをそのまま提出したときは、成績評価の対象とはならない。
2. 生成系AIを利用して得た内容の信憑性には問題があり、その内容については文献等によって必ず検証し、課題等に利用する際にはその出典を明示する必要がある。
3. 生成系AIを利用する場合、利用者が入力する情報は意図せずにも流出する可能性があるので、機密情報や個人情報等を入力してはならない。
両者は約ひと月が経っていますが、どちらからも垣間見えるのは
慎重に使用に危険がない範囲で人智の営為を使っていこうという姿勢ですね。
また、ユネスコがこの間にあたる2023年4月13日に
高等教育現場でのChatGPTの使用ガイドとして
“ChatGPT and artificial intelligence in higher education: quick start guide”
を出しています。
ChatGPT, artificial intelligence and higher education: What do higher education institutions need to know?(UNESCO, 2023/4/13)
(こちらのガイドは、公開当時ChatGPTの最新だったGPT3.5を元にしている点
ご留意ください。)
また日本では、AI第一人者の東大・松尾豊教授らをメンバーに加えた
ChatGPTなどの生成AIをめぐる利活用やルール作りなどについて検討する
AI戦略会議を新たに政府内に設置して、5月11日に初会合が開催されました。
経済社会を前向きに変えるAIのポテンシャルとリスクについて
議論を行っていくとのこと。
まだまだ動きがありそうなChatGPTですが、
またアカデミアとのかかわりを追いたいと思います!
英文校正はエナゴまで♡