エナゴの学術Diary

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リンガフランカとしての英語とは

WE ARE THE ONE!

みなさん、リンガフランカという言葉をご存じですか?

世界中でコミュニケーションを担う共通言語のことで

リンガフランカは異なる文化・地域の人びとがコミュニケーションを取る際に、

言語の壁をなくすために必要不可欠なものです。

そうであるなら、今日のリンガフランカにあたる言葉は何語でしょうか?

ずばり「英語」。

こう答えることに迷ったり、異議を申し立てるかたはいらっしゃらないと思います。

国際的な機関や団体において、英語が共通言語として使われ、

国連世界銀行国際通貨基金IMFなどの国際機関が、

英語が公用語として採用していることからも明らかですね。

そう、あらためて現在、世界のリンガフランカとして広く使われているのは英語なのです。

ネイティブでないわたしたちが義務教育から英語を勉強する理由と言ってもいいのではないでしょうか。

今回はリンガフランカと英文校正についてお話ししたいと思いますので、

よろしくおつきあいください!

 

リンガフランカの必要性

 

世界的な交流が活発化するなか、言語が異なることの障壁が明らかになってきましたよね。

共通の言語を持つことの必要性も日常的にひしひしわかります。

たとえば、ウェブ検索時に日本語表記のないサイトに出くわした経験は誰しもあるでしょう。

あまり馴染みがない言語であるほどブラウザでの翻訳などで四苦八苦ですよね。

でも逆をいうと、そんなとき、言語の選択肢に日本語は含まれなくても、英語は必ずある

さほど英語の語学力に自信があるかたでなくとも、言語選択のプルダウンをクリックして

ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語……といった選択肢のなかに

英語があると、助かった……! という気持ちを抱いた経験はあるのではないでしょうか。

 

英語の起源と発展

まずは、英語が世界のリンガフランカとなった理由に歴史からの説明が外せないので、

簡単ですが少しまとめてみます。

古代ゲルマン人の言語の一つである古英語から発展してきた経緯がある英語は、

中世になると、ノルマン人の侵略によってフランス語の影響を受け、中英語となりました。

その後、近代英語になる過程で、ルネサンス期のラテン語ギリシャ

そして大航海時代に世界各地の言語からの影響を受け、

多様な表現力を持つ言語となっていくわけです。

イギリスの植民地支配と教育

16世紀から19世紀にかけ、イギリスが植民地を支配することが引き金となり

英語が各地で使用されるようになります。

そのことを契機に英語を公用語とする国が多数となり、

英語教育が世界各地で積極的に行なわれるようになったわけです。

こうした植民地支配と教育によって広く普及した英語は

世界的なコミュニケーションの手段としての地位を確立していったと言えるでしょう。

 

アメリカの発展と文化の影響

 

19世紀半ば以降に目を転じると、世界的影響力を急速に増した国・アメリカが台頭します
アメリカの映画、音楽、文学、テレビ、インターネットなどの文化が世界中に広がり

英語はそれらの文化の共通言語の位置についたと言えると思います。

また、アメリカのビジネスや学術界も世界的な影響力を持ち

英語がビジネスや学術の共通言語と認識される土台を作ったといって過言ではないでしょう。

 

リンガフランカと英文校正の必要性

世界各地の人びとが英語を学習し習熟することで

異なる文化・地域の人々とのコミュニケーションを円滑にしますし

英語を使うことで海外とのビジネスや学術交流などの機会も増え、

意思疎通を行なう際の大事なポイントとして欠かせません。

繰り返しますが、英語は現在世界のリンガフランカとして、

ビジネス、学術、文化など、さまざまな分野で広く使われているということで

大事になってくるのが英文校正です。

非英語ネイティブが英語を用いる際には英文校正は不可欠です

カジュアルなやりとりであれば大目に見てもらえることもあり

そこまで神経を使う必要はないかもしれませんが、

英語をある程度公的に使用する場合、正確で適切な英語表現を使うことが求められます。

これは母語が英語でない人に課される注意点です。

非ネイティブが母語以外の文法や表現のミスをしやすいのは、

みなさんご自身の体験としてもご存じだと思います。

ですから、英文校正が絶対に必要になるという点にも簡単に納得いただけますよね。

英文校正とは具体的に何かというと、

スペルや文法の誤りの修正、表現の適切性の確認、文章の流れの調節などです。

英語ネイティブであっても文章を書く際にはミスが出ることは珍しくないですし、

また、異なる文化・地域の人々が英語を使う際には、

ぴったりした表現がわからないことが往々にしてあります

そういうときこそ英文校正の出番。

たとえば、ビジネスメール学術論文

ウェブサイトの英語コンテンツの翻訳広告などをイメージしてみてください。
こういった文において必要なのは、読者やターゲット層へ適切に情報を伝えることにあり

正確な英語表現をすることはクリアすべき絶対的な課題です。

とくにビジネスにおいては英語の使用頻度が高く、英文校正の必要性も増します。
ビジネス文において重要になってくるのは、正確な表現というだけでなく

読み手にどんな印象を与えるかということです。

誤った表現や文法のミスが誤解を生んだり、不信感を抱かせたりするのは

母語であってもよく経験しますから、なおさらです。

 

また、精緻で正確な英語表現が求められるのは、学術論文においても同じです。

論文における誤った表現や文法のミスは、

研究内容さえも疑われる程読み手の信頼性を損なう原因となり、致命的なミスとなりかねません。

的確な表現とともに、文章の論理的な展開や引用の方法なども英文校正時に見ていくとよいでしょう。

 

おわりに

上であげてきたことは氷山の一角に過ぎません。

広告、ビジネス、論文以外にも、日々さまざまな場面でわたしたちの英語への感度のよさは求められています。

英語が世界のリンガフランカとして使用されることで、

異なる文化・地域の人々とのコミュニケーションが円滑になっているいま、

だからこそしっかりとコミュニケーションをするために

英文校正が必要になる場面は今後ますます増えていくでしょう。

 

今回はそんなお話しをしてみました。
ご覧いただきありがとうございました!

 

英文校正はエナゴまで♡

研究発表のテクニック完全マニュアル!

ブレゼンテーション

 

こんにちは。

英文校正エナゴのスタッフのkazumiです。

論文の口頭発表って緊張しますよね。

ポスターセッション、学会発表、口頭試問……。

人前でどんなひとたちが聞いているかわからないなか、自分の主張をしっかり伝える……。

誰だって緊張しますし、大概のひとは苦手なのではないでしょうか。

そこで今回です!

印象的な研究発表のためのテクニックと戦略をしっかりまとめていこうと思います。

 

  • 練習を重ねる

当たり前ですが、練習を重ねることは最も重要です。

繰り返し練習することで、自分自身で感覚を摑み、タイミングや発音のチェックをしながら、スムーズな発表ができるようになります。

これをやっておくと、自分の言葉に自信を持ち、聴衆に内容を伝えやすくなります。

 

  • メッセージを明確にする

伝えたいメッセージを明確に伝えることが大切なのは言うまでもないですね。
それにはまず、メッセージを意識的にはっきりさせておくことが大事になります。
何を伝えたいのか、聴衆に何を期待しているのかをはっきりさせ、
そのためにはどのようなやりかたでどういった情報を提示する必要があるかを精査しておきましょう。
伝えたいことを簡潔かつ明確にまとめ、聴衆に伝わりやすいような説明にすることを目指します。

 

  • アピールポイントを強調する

自分の研究のアピールポイントを強調することで、聴衆に印象付けます。
自分の研究が他論文よりどの点が優れているかをはっきりさせて、その点を強調しましょう。

 

発表の最初の数分間は、聴衆の興味を引き付けたいところです。
興味深い事実やエピソード、または引用など、インパクトのある始め方をすることで、

聴衆を引き込むことができます。

 

  • ストーリー性を持たせる

発表にストーリー性があると、聴衆を引き込みやすくなります。
論理的な流れを持たせ、説得力のあるストーリーで構成するように意識してみてください。

 

  • 聴衆に合わせる

発表を行なう場所や聴衆の質を考えつつ、適切な言葉遣いと専門用語を使い、

聴衆に合わせたメッセージの伝えかたを心がけましょう。

また聞き手が理解しやすくなるように、図やグラフなどの視覚的な見せかたで工夫するのも

効果的なやりかたです。

 

  • ビジュアルを工夫する

視覚的な見せかたとしては、発表に使うスライドやポスターなどのビジュアルを

工夫することがあります。

配色やフォント、画像の選択にも注意しつつ

ビジュアルとテキストのバランスを取るようにしましょう。

 

  • 実践的な例を交える

聴衆にとって興味深く役に立つ内容として届くため、実践的な例を交えると効果的です。
身近で具体的な事例を紹介することで、聴衆が理解しやすく、説得力のある発表になります。

 

  • ポジティブな姿勢を保つ

自信を持って発表し、ポジティヴさを保つことが大事です。
聴衆に対して親しみや好感を与えるようなリラックスした表情やジェスチャーで、

聞く側の緊張を和らげることも大切になってきます。

 

発表時間内にすべてを伝えるためには、タイムマネジメントが必須です。
練習時や発表資料を事前に見直して、

必要な情報だけをピックアップしつつ時間配分を把握しておくようにしましょう。

 

  • 結論を明確にする

発表の最後には、結論を明確に伝えることが重要です。
自分の研究の成果や貢献を簡潔にまとめ、聴衆に印象付けるようにしましょう。

 

  • 質問に対応する

発表後に質疑応答が行われる場合もありますので、予想される質問に対する準備をしっかりと行いましょう。
聴衆からの質問に対応する準備をしておくことはとても重要です。
聴衆が知りたいことや疑問点、さらなる知識を求められる箇所を予測し、それへの回答を用意するようにしてください。
また、答えられない質問が出た場合には、「調べて勉強いたします」もしくは「今後の課題といたします」という答えが一般的にスマートな受け答えです。

 

  • フィードバックを受け取る

発表後には、フィードバックを受け取る場合が多いです。
聴衆からの質問やコメントに対して、丁寧に回答するようにしてください。
また、フィードバックをもとに今後の研究の改善点を洗い出すことも重要になります。

 

  • フォローアップをする

発表後、聴衆と交流することも重要です。
興味を持ってくれた人には、連絡先を交換するなどのフォローアップを行うことで、研究を発展させることができます。

 


いかがでしょうか。
これを一通りやっておけば、緊張で噛みまくってもまず発表はうまくいくはずです。
ご参考になりますように!

英文校正はエナゴまで―♡

英語学習者のためのモーニング・ルーティーン

モーニング・ルーティー

 

英語学習者の皆さん、こんにちは。

研究支援エナゴのスタッフkazumiです。

 

今日は、英語を学ぶためのモーニング・ルーティンについてお話ししようと思います。

毎朝、英語に触れることは英語学習において非常に重要で、

モーニング・ルーティンに組み込むことはとても効率的です。

ただ朝早くから英語の勉強をするのは、スウィッチが入らないと

面倒になったりおっくうに感じたりすることもありますよね。

 

そんなときのために、今回は楽しみながら勉強できる方法を考えてみました。

 

1. お気に入りの英語曲を聴いてみよう!

 

これ、なかなかいいんです。

気分があがるし、テンポのいい曲だと目覚めにもバッチリ効きます。

リズミカルで耳に残るメロディーと英語の歌詞を一緒に覚えていくことで

英語のフレーズを自然と覚えるなど英語力のアップが狙えます。

 

2. いつでも受けられるオンライン英会話レッスン

 

オンラインが普及したいま、好きな時間にオンラインレッスンを受講できるシステムの

英会話スクールやサービスも増えています。

朝早くから誰かと話すのも楽しいものだと思いませんか?(寝癖には気をつかうけど)

オンライン英会話レッスンは、自分のペースで学ぶことができるため、

忙しい朝でも効率的に英語を学ぶことができるのはいいですよね。

 

3. 英語のニュースサイトをチェック

 

たとえばアメリカやイギリスの新聞など英語のニュースサイトにアクセスして

世界のニュースを読むのは情勢を知るにとっても英語の勉強にとっても

最も素晴らしいと言えるかもしれません。

世界の最新情報を英語で読む習慣を身につくことは魅力ですし、

英語のニュースサイトもしくはニュースアプリには

さまざまな難易度の記事が掲載されているので、

自分に合ったものを選ぶことができますから安心です。

 

4. 英語のポッドキャストを聴く

 

英語のポッドキャストを聞くことはリスニング力の向上が見込めます。

朝の通勤や運動中など、自分にいいタイミングで聴くと構えずに自然と習慣化しますよ!

それに多彩なトピックが溢れるポッドキャストから

自分が面白いと思うものを選んで聴くことで、英語学習もより楽しくなります。

 

5. モーニング・ページ

 

モーニング・ページという方法もおすすめです。

耳馴染みがないかたもいるかもしれませんが、

これは朝に自分の思考や感情を書き起こすこと。

英語で書いてみることで、英語の表現力や文法力をアップすることもできますし、

充実感も得られます。

 

6. SNSを見てみよう

 

SNS? とお思いかもしれません。

ですが、TwitterInstagramなど、自分が興味を持つアカウントをフォローしてみると

生きた英語表現に触れられますし、なにより楽しいです。

ときどきハッシュタグなどを通じて英語でつぶやくのもいいですね!

 

7. 英会話カフェや英会話イベントに参加する

 

自宅でひとり進めるのがどうも苦手……というかたには

英会話カフェや英会話イベントがおすすめです。

出先で同志とリアルに会うのも楽しいですし、リフレッシュできますものね。

英語でコミュニケーションをとることで、英語のリアルな使い方も学べますね!

 

以上、英語を楽しく学ぶ方法を紹介してきましたが、共通して言えるのは

何をするにしても、楽しんでやることがいちばん!

ということですね。

自分に合った方法を見つけて、英語学習を楽しんでいきましょう。

 

英文校正はエナゴまで―♡

英語をすいすい読むための厳選3アプリ【2023年】

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こんにちは。エナゴスタッフのkazumiです。
わたしたちの日本支部がある東京、なんだか春の気配が漂ってきました。

春になると気分も上向きになりますよね。

それで(?)つい電子書籍e-bookで英語文献を買い込んでしまいました。

むかしは新刊情報を得るのも、取り寄せも大変でしたが、電子書籍はペーパーバックと同じくらいの価格ですぐに購入できるのでこんな衝動も叶います。

そして「日本語訳が出ていないなら英語で読んでみよう」と思うのは、AI翻訳はじめ母語以外の言語へアクセスがしやすくなったからでしょうか。

まだAI翻訳を利用されたことがない、またはどのアプリがいいのか知りたい、という方のために、デジタル端末で英語原文をすいすい読む方法をご紹介したいと思います。

ちなみにエナゴの姉妹ブランドユレイタスでは無料AI翻訳(日→英/英→日)サービスもありますのでよろしければ!

https://www.ulatus.jp/machine-translation/

 

 

不要なスペース・改行はShaperで処理

論文とくに理系医学系の英語原著の論文でオンライン上でアクセスできるものは基本的にPDFですよね。
そして著作権剽窃・盗用防止対策としてテクストのコピー不可として対応されているものもあります。
それは当然の処理だと思いますし、賛成です。
AI翻訳にかけるにはあくまで一部でこちらの倫理のもとでなければならないです。これは絶対。

もしくはアクセス規制がかけられていないであっても、一部テクストのコピーはスペースや改行を反映するため、そのままペーストして訳すには困難がありますよね。

そんなときにわたしが使っているのは論文翻訳支援WebアプリShaperです。

開発者ブログ を拝読すると

PDFで配布されている英語論文をコピペすると、行末のハイフネーションや改行が混ざっていて翻訳ミスが発生することが多くありました。翻訳ミスをなくすためにハイフネーションや改行を手作業で取り除くのはしんどいので、これを自動で取り除くWebApp「Shaper」を開発しました。

と書かれていらっしゃるとおり、その点をカバーしてくださるシンプルな機能はたいへんすばらしいです。

このようにShaperでプレーンに細やかに処理をしてから翻訳原文テクストにさせていただいて、たいへん作業が捗っています。

スクリーンショットのように文字抽出ができるSensible Paster

その名の通りPDFからテクストとして文字抽出が可能なSensible Paster。

つまり、選択した画面の文字を即座にコピーし、テキストとしてペーストできるアプリです。

こんなふうにYouTubeで紹介するかたもいらっしゃるくらい認知度も上がってきていてユーザーとしてはうれしいです。

DeepLとSensible Pasterの組み合わせが良い - YouTube

 

ただ!

いくつもの過程が省略できるこのありがたいアプリは、現在MacOSのみの対応となっているようです。

Windowsユーザーのかたのためにひきつづき類似の機能があるアプリを探してみたいと思います。

もしご存じのかたはお報せください!

おもしろ論文探索ガイド〜vol.2 オウム・インコ篇

 

こんにちは。研究支援エナゴのスタッフkazumiです。

英語論文の英文校正・英文校閲・ネイティブチェックから投稿サポートまで、学術研究論文に特化したトータルソリューションを提供しています。

 

前回、ねこにまつわる「おもしろ論文」をご紹介しまして

みなさんが研究論文と聞いてお持ちになるだろうイメージを

どかーん! と裏切ってみました。

今回もわたしが出くわしてきた

専門外からすると

ちょっと笑ってしまうようなテーマの論文

いくつかご紹介してみようと思います。

 

ねこの次は、みんなが大好きオウムとインコちゃんでいってみたいと思います。

それでは、ニッチでユニークな研究ワールドの奥深い迷宮に

本日もわけいってまいりましょう!

 

まずは

世界で初めてセキセイインコがリズムに合わせて運動できることを確認した意義深い論文。

 

(長谷川 愛、岡ノ谷一夫、長谷川壽一、関 義正、2011 Scientific Reports )

https://www.nature.com/articles/srep00120

 

世代や国の垣根を越えて、音楽とダンスは人間の文化とコミュニケーションの中心となっている。最近、オウムやゾウのような発声学習を行う動物が、ヒトと同様のリズム能力を持つことがわかった。そこで我々は、リズムに乗る能力の進化を理解する第一段階として、条件を統制し、体系的にデザインされた実験環境下で、声真似をよく行うオウム目の一種であるセキセイインコのリズム同調性を調査した。我々は8羽のセキセイインコを訓練し、メトロノームのような視聴覚刺激のリズムにあわせて、あるキー(LED)をつつくという、等時間隔的なタッピング課題を行わせた。その結果、セキセイインコは、さまざまなテンポの外部刺激に同調することがわかった。実験個体は、本種の生得的な発声のリズムに近い、速いテンポでタップする傾向を持ち合わせているように思われた。セキセイインコが示したヒトと類似したパフォーマンスには、発声学習が寄与していると考えられる。

 

オウムの仲間の一種であるセキセイインコちゃんは

リズムに合わせて机などを叩く(タッピング)ことができるんですね……!

うう、か、かわゆい……!

そして「我々は8羽のセキセイインコを訓練し」という件が

不要にかっこいいです。

 

つづいて次のショートarticleは、タイトルからして期待大です! 

  • オウムの声まねから学べるも

(関 義正、2018心理学ワールド)

https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2019/04/85-27-28.pdf

……オカメインコ分類学的にはインコではなくオウム)は口笛のような声で音楽のメロディを真似るのが得意です(なお、ヒトの口笛は声帯運動を伴わないので発声ではありませんが、オカメインコの声は発声です)。私たちの研究室でも,手乗りとして育てた雛3羽がヒトによる口笛の演奏を真似るようになりました。さらに、ヒトの演奏が始まると途中からそれに加わり、タイミングを合わせて一緒にうたうようになりました。これには、メロディ全体を記憶し、聞いている音がその時間構造のどこに位置しているのかを判断し、次に出てくる音のタイミングを見計らって発声器官を運動させるという一連の複雑な認知過程を要します。これまでに、このような「ユニゾン」をうたうヒト以外の動物の報告はありません。この特異な行動を発現させたのは,ヒトとの間に築かれた強い社会関係かもしれません。さて、同じ種でもヒトが発する音を真似るトリとそうでないトリがいます。その理由の一つは「絆の強さ」の違いにあるかもしれません。

 

「手乗りとして育てた雛3羽が(……)ヒトの演奏が始まると途中からそれに加わり、タイミングを合わせて一緒にうたうようになりました」!

これだけでもメロメロですが、その理由が絆の強さに基づいているとしたら

顔がとろけていく世のとり飼いさんたちの姿が思い浮かびます……

とりの感情の豊かさですね。

 

最後は今回わたしがいちばん好きだった論文名です。

超腹話術」!

 

  • 九官鳥, インコ, そして超腹話術 : その声の謎解き

(伊福部 達、2000日本音響学会誌)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/56/9/56_KJ00003054202/_pdf/-char/ja

 

読み始めて最初が「1、いっこく堂との出会い」だったので、あれ論文間違えた? と思いましたが、

「発声法の解明のための実験協力をお願いした。いっこく堂さんは私の依頼を快く受けてくれたのであるが、その後、彼が超多忙になり……」

と九官鳥とインコの話に移っていって、

ああやはり鳥の論文だった、とほっと(?)しました。

 

……くちばしを開けたままどのようにして /pa//ba//ma/ を発声できるのかということであった。その後、マガーク効果といって /ga/ といいう口の開きの映像に、/ba/の音を重ねると、聴覚が視覚に影響されて /ba/という声ではなく /da/ や /ga/ に聞こえるという発見がいろいろな論議を呼んだ。しかし、インコは口を開けたまま /ba/ と発声しても、ヒトの耳にはやはり /ba/ に聞こえるのだから、マガーク効果はインコでは通用しないことになる。このことに関しては九官鳥も同じで、くちばしを開けたまま /pa//ba//ma/ を発声できる。この謎解きに再び挑戦するときがくるのに15年かかった。それはいっこく堂という天才腹話術師の登場したことがきっかけとなった。

 

専門的な話題にぐっと集中した論文の最後は、やっぱりいっこく堂さんでした!

 

以上、今回は鳥にかんするおもしろ研究論文をお届しました。

いかがでしたでしょうか。

やっぱり

真面目な学術論文にあるおもろギャップがたまらなかったです!

 

ほかの分野にも数々のおもしろユニーク論文がまだまだありますので
このブログでまたご紹介していかれたら、と思います。

 

そして、研究の世界に興味を持たれたかたには

わたしたちエナゴが運営するサイト:エナゴ学術英語アカデミーのブログ記事がオススメです。

よかったら一度覗いてみてくださいね。

 

いやいや、研究って奥深いですね!

 英文校正はエナゴまで―♡

 

Quora質問ダイジェスト[論文執筆篇]

 

Quora Q&Aダイジェスト


こんにちは。研究支援エナゴのスタッフkazumiです。

 

突然ですが、Quoraというサービスをご存じでしょうか。

2009年にアメリカでユーザーコミュニティ間のQ&Aサイトとして生まれ、

日本にも2017年に上陸した人気と知名度を上げてきたサイトで

語学で為になる情報などもあるので、わたしはときどき見ています。

そんななか、「エナゴアカデミー」というアカウント名で

学術系から雑学系までさまざまにリクエストいただいたご質問にお答えしています。

 

そこで、今回はQuora上でわたしたちがお答えしてきたQ&Aを

いくつかまとめてご紹介したいと思います。

今回は論文執筆篇と題してピックアップしてみました。

 

ちなみにわたしたちエナゴが運営しているエナゴ学術英語アカデミーのサイトでは

論文英語なんでも相談室」というQ&Aコーナーがありまして

そちらでも英文執筆の疑問点にお答えしていますので、よかったら覗いてみてください。

 

それでは、Quoraダイジェストに早速まいりましょう!

 

英語の論文を書く際のアドバイスを教えてくれませんか?

こんにちは。エナゴアカデミーです。

(1)学術英語のニュアンスを習得する一番の方法は、やはり、なるべく多くの査読付き論文を読み、語彙を増やすことです。

初めのうちは専門用語のオンパレードで戸惑うかもしれませんが、読めば読むほど語彙が増え、特有の言い回しにも慣れてくるでしょう。自分の考えを、専門用語を用いて正確かつ明確に

……

qr.ae

効率的に校正するためのコツは何でしょうか?

こんにちは。エナゴアカデミーです。
効率的な校正を行うためのステップを紹介します。
論文を書き始める前に、どのスタイルガイドに準じて書くのかを決めます。APA、MLA、あるいはシカゴスタイルのいずれかに準拠するのが一般的でしょう。スタイルガイドは、スペル、大文字小文字の使い分け、さらに書式を書き始めの段階から確認するのに役立ちます。
……jp.quora.com

論文で勉強をする時、皆さんはどうされていますか? Google ScholarやCiNii等で探せるのは知っているのですが、質のよい論文の探し方がわからないので、何を検索していいかわかりません。

こんにちは。エナゴアカデミーです。

文献を探すときに、どうやって質の高い論文を見分けるのか、その方法を知りたいということですよね。私が気に入っている方法をご紹介しますと、

(1)分野に合ったデータベース(Google Scholar、JStage、CiNii、Web of Science、Scopus、ScineceDirect、Pubmed、DOAJなど)を見つけ、どのようなジャーナルを網羅しているかをチェックします。

……

qr.ae

良い論文を探す為のコツはありますか?

こんにちは。エナゴアカデミーです。

参考文献として引用する論文を検索するときにオンラインツールを使えば、短時間に効率よく探すことができます。

例えばConnected Paperでは自分の論文や複数の論文に関連する文献を素早く検索できます。
またPaperscapeやCitNetExplorerを使えば、あるテーマに関連する過去の論文を見つけることが可能ですし、Sciteでは、その論文がどのように引用されたかも分かります。

……

qr.ae

 

 

こんなふうに論文執筆と一口で言っても

ほんとうに多くのチェック事項があり、
何度確認してもしたりないですよね。

 

先ほどちらっと書きましたように、わたしたちエナゴが運営するエナゴ学術英語アカデミーの

論文英語なんでも相談室」というQ&Aコーナーでも

京都大学のグレン・パケット氏と、エナゴアカデミーの専属スタッフが

随時質問にお答えしております。

もし疑問があるときには、お気軽にご投稿ください!


また次回ダイジェストをお届けいたしますのでお楽しみに!

ご覧いただきありがとうございました。

 

英文校正はエナゴまで―♡

おもしろ論文探索ガイド〜vol.1 ねこ篇

ねこ論文!

こんにちは。研究支援エナゴのスタッフkazumiです。

英語論文の英文校正・英文校閲・ネイティブチェックから投稿サポートまで、学術研究論文に特化したトータルソリューションを提供しています。

 

みなさんは研究論文と聞いて、どんな印象をお持ちですか?

アカデミックなターム満載で硬くて読みにくい、というのが

わりと一般的なイメージかな、と思います。

 

ですが、世のなかの研究ワールドはとても奥が深く、

かなりユニークな論文がざくざく……。

 

そんなわけで、今回はわたしがこれまで出くわしてきた

専門外からすると

ちょっと笑ってしまうようなテーマの論文

いくつかご紹介していきたいと思います!

 

今回は猫にまつわる論文をピックアップです。

猫の研究というと

行動研究、生理学、獣医学、少し離れても文学作品のテマティック批評?

と思っていたら、

予想のはるか斜め上でした。

 

では、早速まずはこちらの論文からまいりましょう。

 

  • 動物に対する好き嫌いが印象に与える影響 イヌとネコにおける検討

(大森慈子・石黒由貴・水田敏郎、2017

https://doi.org/10.4992/pacjpa.81.02B-044

【要旨】

イヌおよびネコに対する好悪感情と印象の関係に着目した.本研究の目的は、動物に対する好き嫌いが印象に与える影響について、特にイヌおよびネコについて検討し、さらに自身における動物の好悪との関係を調べることであった。

【結論】

イヌであってもネコであっても,動物好きな人は嫌いな 人より親近性があると評定された.動物好きであることは, 肯定的なイメージがあると考えられる.

 

たしかに"動物好きはいいひと"のイメージあります。

キーワード:イヌとネコ,好き嫌い,印象

を見た時点で早々に心奪われた論文でした。

図表の尺度が「イヌ好き度別」「ネコ好き度別」なのもつぼでした

 

つづいて次の論文は、タイトルにはやくも魅惑のワードが。

なんと、インタラクティブ猫じゃらし

わたしも猫と長年過ごしていますが、初耳でした……

 

(佐々木梨菜 ・鈴木優、2018

http://id.nii.ac.jp/1001/00188969/

【要旨】

古来より人々はペットと共に生活してきたが、その生活環境は人の快適さが前提であったり、それらをペットに強いている場合が多い。例えば、猫の飼い主がPCを使用する際、猫がキーボードに上がるcat typingと呼ばれる問題がある。飼い主は快適にPCを使用するため、PCに近づこうとする猫を遠ざけようとする。本研究ではこの問題を解決するため、飼い主がPCを用いた作業をしているそばで、 猫がタブレットに触れて遊ぶことができるインタラクティブな猫じゃらしシステムを開発し、このシステムの有用性を確認するため数匹の猫に試用実験を行った。

【結論】

いくつかの現象が確認でき、仮説としてシステムが有効に機能する猫の属性があることが示唆された。 

 

「飼い主がPCを用いた作業をしているそばで、

 猫がタブレットに触れて遊ぶことができるインタラクティブな猫じゃらしシステム」

という件は他を圧倒する決め文句ですね!

猫がキーボードに上がること、Cat typing というんだ……。

学生奨励賞をとられた論文の仮説実証をされる今後が楽しみです。

 

最後はゴロゴロの可能性を探ったこちらです!

 

  • 店舗用BGMに最適な新規リラクゼーション音源の探索-猫のゴロゴロ音についての初期検討-

(荒井翔子、大橋学、伊藤有紀、UeharaJuanMartin、増田知之、2019

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001202627875072

【要旨】

店舗の環境を創り上げる要素の1つに、バックグランドミュージック(BGM)が挙げられる。買い物客の購買意欲を高めるためには、既存のBGMに頼るだけではなく、その店舗にフィットした新しい音環境や音源の開拓が必要である。現在、日本は空前の猫ブームに沸いており、猫の発するゴロゴロ音が人に癒しをもたらすと考えられている。しかしながら、これを実証する科学的根拠はほとんど存在しない。そこで本研究では、猫のゴロゴロ音が人の生理的状態にどのような影響を及ぼすか検討した。ストレス負荷課題をこなした実験参加者に猫のゴロゴロ音を聴かせたところ、ゴロゴロ音を聴いた群の心拍数は、猫への嗜好性を問わず、安静時の基準値よりも有意に低下することが明らかとなった。

【結論】

この結果は、猫のゴロゴロ音にリラックス効果があることを示唆しており、猫のゴロゴロ音が店舗での新規音源となるポテンシャルを秘めていることが明らかとなった。

 

……無駄のない簡潔な要旨で思わず書き抜いてしまいました。

なんども登場する「猫のゴロゴロ音」という

およそ研究論文に思えない言い回しが素敵です。

個人的には「猫のゴロゴロ音のポテンシャル」というフレーズが最もつぼでした。

ただBGMが猫のゴロゴロいう音だったら、わたしはちょっと困惑するかも笑

 

以上、猫にかんするおもしろ研究論文をお届しました。

興味深いねこ論文(?)は尽きなかったので

日本でここ近年に出されたものから選んでみましたが、

いかがでしたでしょうか。

わたし個人としては、

真面目な学術論文だからこそ、そのギャップがたまらなかったです!

 

ほかの分野にも数々のおもしろユニーク論文がまだまだありますので
このブログでまたご紹介していかれたら、と思います。

 

そして、研究の世界に興味を持たれたかたには

わたしたちエナゴが運営するサイトエナゴ学術英語アカデミーのブログ記事がオススメです。

よかったら一度覗いてみてくださいね。

 

いやいや、研究って奥深いですね!

 

英文校正はエナゴまで―♡